劇場版シグナル、3歩進んで2歩下がったいつもの展開
『劇場版シグナル』を鑑賞してきました。
無線機で繋がる過去と現在の2人の刑事が
協力して事件を解決し未来を変えるという内容の
韓国ドラマが原作となっているこの作品。
無線機の持ち主である大山巡査部長(北村一輝)の死を防ぐために
彼よりも未来を生きる三枝警部補(坂口健太郎)はいくつもの事件に
遭遇し、過去を生きる大山巡査部長の協力を得ながら、徐々に
事件の真相に迫っていきます。
地上波で連続ドラマとして放送され、スペシャル版として2時間ドラマも
放送され、人気となっているこの作品が、映画化されました。
さて、この作品のズルイところは、
現在の事件を解決した、または解決できなかった時、
過去の大山巡査部長に連絡し、大山巡査部長が事件を未然に防ぐことに
繋がる行動を起こせば、そもそも現代で起こった事件自体が起こらない
未来に変わるところではないでしょうか。
この仕組みを使えば、
- 未解決事件を過去で解決する。
- 未来を変える。
- 変わった未来で大山巡査部長の死因が変わる。
- 再び過去の大山巡査部長に事件を未然に防いでもらう。
この方法で、三枝警部補としては半永久的に同じ時間をループすることに
なり、1話完結型どころか、1シーズン完結型としてドラマを作り続けることができるのです。
(とはいえ、実写版ドラマの時空ものなので、キャストの見た目年齢の維持にも限界はあります)
ということで今回の劇場版も、タイトルに書いた通り、
大してストーリー進みません笑
流れ的に、劇場版で完結しそうだし、してくれれば感動大作だったと
思うのですが、
韓国でも次のシーズンが制作されているということなので、
日本で勝手に完結することはできないようです。
ストーリーとしては、
生物兵器によるテロに関係する情報を隠蔽しようとした警察と
政治家に対する恨みが巻き起こした、事件がメインです。
今のコロナ禍にどこか似ているような設定だなと思い、
日々私たちが思うことを代弁してくれている作品とも言えます。
しかし、ある演出が興行収入300億の『鬼滅の刃』っぽいなと思ったのですが、
パクリというよりは、”ヒットの法則に従った作り方”をしているのだと思うことにしました。
各キャラクターの細かい設定を知りたいという方がいましたら、ぜひ
ドラマ版からご覧いただくとして、
映画の冒頭にこれまでを振り返るシーンも用意されているので、
むしろ、シグナルを知らない人にも楽しめる作品になっていると思います。