私の7割はエンタメでできている

発達障害と診断された自分がエンターテイメントに触れて、感動したことをレビューとして綴ります。

劇場版シグナル、3歩進んで2歩下がったいつもの展開

『劇場版シグナル』を鑑賞してきました。

 

無線機で繋がる過去と現在の2人の刑事が

協力して事件を解決し未来を変えるという内容の

韓国ドラマが原作となっているこの作品。

 

無線機の持ち主である大山巡査部長(北村一輝)の死を防ぐために

彼よりも未来を生きる三枝警部補(坂口健太郎)はいくつもの事件に

遭遇し、過去を生きる大山巡査部長の協力を得ながら、徐々に

事件の真相に迫っていきます。

 

地上波で連続ドラマとして放送され、スペシャル版として2時間ドラマも

放送され、人気となっているこの作品が、映画化されました。

 

さて、この作品のズルイところは、

 

現在の事件を解決した、または解決できなかった時、

過去の大山巡査部長に連絡し、大山巡査部長が事件を未然に防ぐことに

繋がる行動を起こせば、そもそも現代で起こった事件自体が起こらない

未来に変わるところではないでしょうか。

 

この仕組みを使えば、

  1. 未解決事件を過去で解決する。
  2. 未来を変える。
  3. 変わった未来で大山巡査部長の死因が変わる。
  4. 再び過去の大山巡査部長に事件を未然に防いでもらう。

この方法で、三枝警部補としては半永久的に同じ時間をループすることに

なり、1話完結型どころか、1シーズン完結型としてドラマを作り続けることができるのです。

(とはいえ、実写版ドラマの時空ものなので、キャストの見た目年齢の維持にも限界はあります)

 

ということで今回の劇場版も、タイトルに書いた通り、

 

大してストーリー進みません笑

 

流れ的に、劇場版で完結しそうだし、してくれれば感動大作だったと

思うのですが、

韓国でも次のシーズンが制作されているということなので、

日本で勝手に完結することはできないようです。

 

ストーリーとしては、

生物兵器によるテロに関係する情報を隠蔽しようとした警察と

政治家に対する恨みが巻き起こした、事件がメインです。

今のコロナ禍にどこか似ているような設定だなと思い、

日々私たちが思うことを代弁してくれている作品とも言えます。

 

しかし、ある演出が興行収入300億の『鬼滅の刃』っぽいなと思ったのですが、

パクリというよりは、”ヒットの法則に従った作り方”をしているのだと思うことにしました。

 

各キャラクターの細かい設定を知りたいという方がいましたら、ぜひ

ドラマ版からご覧いただくとして、

 

映画の冒頭にこれまでを振り返るシーンも用意されているので、

むしろ、シグナルを知らない人にも楽しめる作品になっていると思います。