私の7割はエンタメでできている

発達障害と診断された自分がエンターテイメントに触れて、感動したことをレビューとして綴ります。

石田彰を好きなのにディカプリオに違和感を覚えたタイタニック

金曜ロードショーにて放送された『タイタニック

 

 

 

今回は石田彰さんがレオナルド・ディカプリオの吹き替えを務めた

ファンの間では貴重で人気の高い地上波版となっており、

SNSで声優名がトレンドに上がるほどの勢いがあります。

 

かく言う私も石田彰ファンの一人として、

“石田版タイタニック“を愛し、むしろそれ以外の吹き替え版を否定していました。

 

しかし、久しぶりに聞いた石田彰さんのディカプリオに、なぜか違和感がありました。

 

 

それは自分が歳を重ねたことで

“ジャック・ドーソン“という人物に対するイメージが変わってしまったから、

という結論に至りました。

 

確かに、タイタニックレオナルド・ディカプリオはかっこいい。

今でこそ、無精髭の中年俳優となってしまいましたが、

タイタニックのディカプリオは確かに、イケメン、王子、紳士。

まさに、当時の声優界でこれらを演らせたら右に出る者はいなかった、

石田彰さんのハマり役なはずです。

 

当時は声のイメージを俳優の見た目で(自分は)決めていたので、

石田さんがジャック・ドーソンの吹き替えをされたのを聞いた時、

とても感動したのです。

 

月日が経ち、社会に出て色々な人に出会っていくうちに、

この生い立ちの人はこういう性格、

この性格の人はこういう風貌、

この風貌の人はこういう喋り方、

という自己流の人物テンプレートができていくと、

 

果たしてあのジャック・ドーソンがこの声でいいのかという疑問が湧いてしまいました。

 

 

ジャック・ドーソンは

・三等客室の乗客

ウィスコンシン州(田舎)出身

・職業は画家?

・住所がない

などの生い立ちが劇中からわかりますが、

このような人間が、石田彰さんような落ち着いた高貴な喋りをするでしょうか。

(※あくまで個人の感想です)

 

もちろん全てのシーンを否定するわけではありません。

貴族に混ざって食事をするシーンでは

それはもう、これでもかというほどイケメン紳士を演じていました。

その紳士らしい振る舞いがローズをさらに惚れさせ、

他の貴族達をイライラさせる要素にもなっていると思います。

 

しかし、上述の通り、彼はギャンブルで乗船券を勝ち取った貧乏画家。

ローズと二人のシーンや、スーツを着ていない時は、もっと砕けたフワっとした感じがあってもいいのかなと思ってしまったのです。

(抽象的で申し訳ない)

 

石田ジャックからは、元・貴族、元・王族の貫禄を感じ、

どんなシーンでも物事を俯瞰的に捉えている文化系男子をイメージします。

そんな彼はタイタニックが沈み始めた時も、他の観客のようにパニックになって逃げるのではなく、

頭と勘を働かせ、最後まで生き残る術を探します。

 

どんな時でも、冷静に物事の本質を見極め判断する頭脳明晰なジャック・ドーソンは...

 

石田彰さんの声が適任かもしれません。

 

 

結局はどの役者がどの役を演じても、十人十色。

役者だけでなく、演出や監督の考えも十人十色。

 

タイタニックに異なるエンディングが存在するように、

異なる解釈のあるジャック・ドーソンもまた、タイタニックの登場人物であることに変わりないのですから。

そして、そんな登場人物たちの解釈を最終的に決めるのは、タイタニックを観た人たちそれぞれでいいのかもしれません。