YOASOBIの音遊びに今更感動、そして恐怖する。
「さよなら」だけだった
...
「...チックタックと...」
「騒がしひbnktkt.h..」
↑ 何気なく聴いているとこんな感じに聞こえていたという例え。
昨年、紅白に初出場初顔出しして話題となった音楽ユニット
"YOASOBI"の「夜に駆ける」
自分も話題につられてダウンロードし、プレイリストには入っていたのですが、
この曲について何も知らず、つい最近までただボーカロイドっぽい今風の音数の多い
曲が流行っているんだと思っていました。
今更ですが、この曲凄いですね。
曲はもちろん聞いてりゃキャッチーなことはわかりますが、
歌詞がなんでしたっけ、「タナトスの誘惑」?
という小説を元にした内容で、その表現力が凄まじい。
そして、私はこの曲に対して少し恐怖心を覚えました。
つい最近、ふと、プレイリストから流れてきた何のあらすじも知らないこの歌。
人ってその時の感情によって入ってきやすい音が変わるもので、
その時はたまたま「夜に駆ける」の切ない冒頭が耳に語りかけてきて、
聞き入ってしまったのです。それも少し怖いですが。
聞いているうちに、この曲って、自殺のことを歌っているんじゃないかと思いました。
初見なんです本当にすいません。
それで、最後は死にたがっている彼女を抱きしめることで救って2人で生きていくというハッピーエンドなのかなと、初見では思ったのですが、聞けば聞くほどのめり込んでいって、
気づくとYouTubeでPVを見ていました。
やっぱり彼女が自殺しようとしてるじゃん!と思ったのですが、途中から雲行きが怪しくなりました。
主人公も一緒に飛び降りてる...?
ここで、この小説の元となった「タナトスの誘惑」という話を読みました。
衝撃的でした。
”死神というのは自分の最も魅力的な人に見える。”
”死にたがっていると思っていた彼女は、彼が見ていた死神で、
その死神によって彼は死へと誘われてしまう”
という結末(ざっくりと)でした。よね?
なぜ衝撃的だったのかというと、初見で聞いた時この歌は最後ハッピーエンドで終わったのだとばかり思っていたからです。
ラストのサビの手前、少し音を下げた後、一気に駆け上がります。
これを聞いたら、まるで春の訪れを感じさせるような、華やかなさだなと思ったのですが、
これがこの曲の、この歌詞の一番のクライマックス。
彼は彼女に見える死神に誘われ、自殺してしまうのでした。怖い。
そして私が最も恐怖に感じたのは、最後の盛り上がりのパートが自殺について描かれた歌詞の部分だったということ。
自殺に対して肯定的とも捉えられるこの曲調、コロナ禍の暗い日々の中で聞いていた人にとって、この曲はどう捉えれたんだろう。
そんなことがふと脳裏をよぎりました。
何が悪いということではありません。曲も歌詞も歌声も全てがミステリー小説を読んでいるかのような不思議な感覚になる「夜に駆ける」
皆さんはどんな気持ちで聴いて、口ずさんでいるのでしょうか。
私はこの曲を前向きな気持ちで聴く術を持ち合わせていないので、
聴いたあとはしばらくメンタル的に落ち込みましたが、水樹奈々さんの「生きろ!!」と言わんばかりの歌を聴いてなんとか持ち直しましたよ。
「全力で生きろ この時を(愛のため)」