Beautiful World〜それは愛だけ〜 の登場人物について(ネタバレ注意)
ついに、シン・エヴァンゲリオン劇場版🔁
が公開されました。
具体的なネタバレは控えますが、
気になるという方はタイトルから察してお帰りいただくか、今その足で、“そうだ京都へ行こう“
ばりに劇場へ足を運び、2時間45分の拘束に耐えた後にご覧ください。
さて、表題にあります”Beautiful World"なんですが、
これはヱヴァンゲリヲン新劇場版の「序」と「破」の主題歌でした。
そして、「Q」では使われなかったわけなんですが、
実は、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では使われているんです。
その名も「Beautiful World(Da Capo Version)」
どうでしょう、この意味深なタイトル。”ダ・カーポ”
音楽記号で「はじめに戻る」を意味していると思うのですが、
この「Beautiful World」という曲の歌詞、当初は碇シンジのことをベースに描かれているもの
とばかり思っていたのですが、
「シン・エヴァンゲリオン」まで観終わった後、改めて聞くと、碇ゲンドウ、あるいは庵野秀明総監督のことに当てはめても十分繋がる曲だなと思ったのです。
むしろ、正直「序」の段階では、碇シンジのことに当てはめるには少し無理があった箇所も、
ゲンドウに当てはめた方が繋がっている気がします。
特にAメロの「君」の側にいたい、と愛を唱えている部分、
ゲンドウがユイのことを強く思っているように取れますし、
シンジはこの段階ではこれほど強く愛する相手がいませんでしたから、
少なくとも、「序」の主題歌の歌詞に出てくる「君」はユイ、
「僕」はゲンドウで当てはめてみると、色々繋がっています。
そして、「破」ではアニメ版の要素とは少し違ったクライマックスを迎えました。
その時のシンジは、綾波レイに対して、「Beautiful World」の登場人物のような
感情を抱いていたように思います。なので、
「破」の主題歌(リミックスバージョン)の「君」は綾波レイ、
「僕」は碇シンジであると予想できます。もちろんこの段階でも
「君」=ユイ、「僕」=ゲンドウの物語は継続しています。
「Q」はその色合いや、タイトルから、このヱヴァンゲリヲン新劇場版では異色のテイストで、
スピンオフのそれとも違う、とても挑戦的な内容の作品でした。
なので、「序」「破」と同じ「Beautiful World」では通じない世界観が必要になっています。
「桜流し」は「Q」の劇場公開前に起きた東日本大震災とも関連して作られた内容にも取れるので、この曲の登場人物は、アニメよりリアルを生きる我々に当てはめるべきだと思われます。または、ニアサードインパクトをインパクトを地震のような大災害と当てはめると、
そこに生きる人たちの心情が見えてくる内容の歌にもなっています。宇多田さん凄い。
そして、「シン・エヴァンゲリオン」の表向きの主題歌は、
「One Last Kiss」ですが、
この曲がスタッフロールと共になり終えたあと、切ないストリングスが続いたかと思ったら、
次の瞬間、
"Beautiful World"
というあのコーラスが館内に響きます。
私は、これこそが、この映画最大のネタバレ要素ではないかと思い鳥肌が立ったのですが、
そのあと、今回の新曲(真曲)である「Beautiful World(Da Capo Version)」がベールを脱ぐことになるのです。
「シン・エヴァンゲリオン」を観てから聴く「Beautiful World」は
解釈が180度覆されたような気になります。
庵野さんの伝えたいものが「序」の時から変わっていないという裏付けにもなりました。
こんなに長い年月をかけて伝えたいことはただこれだけ、なんて一途な愛なんでしょうか!
庵野マジックに感涙しました。
もちろんこれは庵野マジックの一片に過ぎないので、何回観て、どんな切り口からエヴァンゲリオンの世界を楽しむかは、皆さん次第です!
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